富山の酒類卸売業
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酒蔵探訪 三笑楽酒造 〈第一弾〉

 

 

 

 

明治十三年創業。

富山県の南西部、五箇山で人々の暮らしに寄り添った酒を醸し続けています。古来より豪雪、雪崩から集落を守り続けてきた原生林から湧き出す、清らかで豊かな伏流水を仕込水としています。全体に芳醇辛口。山菜など、あくの強い料理にも負けないコクと、量を飲めるすっきりとした喉越しが特徴です。

「三笑楽のいわれ」

中国は晋の時代。ある僧が二度と里に戻るまい誓って山にこもり、三十年有余年たったある日。二人の友人が庵を訪ねてきて、三人は酒を酌み交わし語り合った。

友の帰路を見送るうちに、僧が里との境である虎渓をいつの間にか渡ってしまい、それに気付いた三人は大笑いした。この故事に基づく謡曲「三笑」から、「酒は笑って楽しく呑んでほしい」という思いから、三笑楽と名付けられました。

 

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訪問日 : 平成23年9月24日

 

富山県南砺市上梨にある三笑楽酒造さんを訪ねてきました。

 

 

伝統を継承する蔵

 

戦後建て替えられたという風情ある佇まい。太い梁や、土壁、まさに日本文化を象徴する蔵です。

 

10月下旬頃仕込初め

 

 

仕込米は主に地元の五百万石や兵庫県産山田錦を使用。

【蒸し釜(和釜)】

【放冷機】

 

 

麹室(こうじむろ)

 

酒造りの心臓部、麹室に入れて頂きました。

ここで約丸2日間24時間見守りながら、蒸したお米に麹菌をつける作業をされます。

温度と湿気の管理が重要で、温度は常に30度に保ち、湿気を吸収しやすいように、壁も床も全て杉の木を使用されています。また、室内を殺菌するためにホルマリンを炊くそうです。

この台はお米の重量を測る事ができ、それにより水分量や麹の量が把握できます。これを置いているのは、北陸3県でも三笑楽酒造さんだけだそうです。

麹をつけた米を10kgずつ小分けにし、熱を逃がし温度をみながらまぜ、そだてます。

 

仕込タンク

 

酒母タンク】

麹米+水+酵母菌

酛(元気な酵母)を育てるタンクです。

これから大きな仕込タンクへと移します。

【暖気樽・だきだる】

温度調節のためにタンクの中に入れます。

 

※三笑楽酒造さんの酵母は、日本醸造協会酵母の泡有を使用されているそうです。泡無の方が作業も楽ですが、泡を見ることで発酵の状態が判りやすいと、泡有にこだわっているそうです。

 

大きい仕込タンクは全部で13本。

2日に1回の仕込を繰り返し、計40本分の仕込みをするそうです。

貯蔵タンクに半年近く大切にねかせ、出荷します。

 

お酒造りへのこだわり

 

今回、案内していただいた

【専務取締役・杜氏 山崎英博氏】

 

三笑楽酒造さんのこだわり・・それは

「あくまでも伝統を守り、日本酒のみを製造すること。幅を広げるよりも、品質を大切にし、今ある商品を更においしいお酒にすることです」と力強く語って頂きました。

 

製造方法や建物を継承していくことは、決して容易ではないと思いますが、このぶれない信念のもと、美味しいお酒を造り続けてほしいと思います。

又、仕込の時に訪問させていただきたいと思います。

山崎専務取締役様、本当にありがとうございました。

 

三笑楽酒造 周辺の風景